​定番の作品たち

ふじい製作所は、2020年4月で10年目に入ります。今まで制作に、仕事のほとんどの時間を充ててきました。毎日、朝から夕方までずっと機械を回し、漆風呂は常に塗り番を待つ器がたくさんありました。そのため、制作以外のことにあまり時間を使うことなく、無我夢中で作り続けてきたような気がしています。今、皆さんに知ってもらいたいこと、見てもらいたいことがたくさん溜まっていることに気が付き、木や漆に対する思いや制作のこと、仕事を通して思うことなどを、定番の作品を通して時間軸でふりかえりながら、文章に書いてみたいと思います。そんなに大げさなことではありませんが、お付き合いいただけると幸いです。

​また、お店の方やお客様からも、作品のリストなどありませんかと尋ねられることが多くありましたが、今までは十分なものの提示ができませんでした。この文章には、作品の大きさや価格なども記して、その役割も果たしてほしいと考えています。

CONOSARA  2011~
一番初めに作った器は、漆の14cmのお皿でした。漆の仕上げは、ザラザラとした表情の蒔地(まきじ)仕上げ。なぜ小さめの平皿だったかというと、手持ちの材料を効率よく木取ることができたのが、そのサイズだったのです。木の木取り方は、縦木取りと横木取りがあり、私たちは横木取りをします。丸太は製材所で大きな機械で縦方向に板の状態にスライスされます。それを十分に乾燥させたものを購入します。その板に、お皿より少し大きめの円を描きます。それをバンドソーで木取ってから、ロクロへ。
​この頃は、材料屋さんから板の状態で木を購入していましたが、板の厚みが厚いほど価格は高くなります。初めは薄めの材料で、色々試したかったのです。
蒔地は、地の粉という天然の粉を蒔いて、漆で何度も塗りかためて仕上げます。陶器のような表情ですね、とよく言われますが、持った時の軽さに驚かれます。蒔地の仕上げがとても好きで、キズが付きにくく、漆の良さを広められたら嬉しいと思っていた気持ちとぴたりと合って、私たちの制作の中心になりました。
「粉」を蒔いて仕上げる「木」のお皿、で、「CONOSARA」と付けました。
​ウラの高台部分の径が少し大きくなったり、14cmのものを15cmに変更したり、少しずつ進化しながら今でも一番の定番のお皿です。
​CONOSARA  黒・茶
 15cm  4500円+税
 18.5cm  6500円+税
 24cm  12000円+税
 27cm  15000円+税
ふたもの 2011~
漆と木地仕上げの組み合わせで、ふたものを作ることにしました。蓋のある容れ物が好きで、靴の箱やお菓子の箱を捨てられないのは困ったことですが、何を入れようかと考えることは楽しいことです。「こんな高価なものに、何入れるの?」と思うより、「何を入れようかな!」とわくわくする気持ちを持ってもらえたら嬉しい。漆なので、お菓子でもいいですね。アクセサリーを入れますとおっしゃるお客様もいらっしゃいました。
ふたは、落ち着いた雰囲気のクルミと、ちぢみ杢のトチ。大きさも、大・小の二種類あります。トチのちぢみ杢は虎杢とも言い、きらきらと波模様のようでとてもきれいです。このような貴重な材料は木目が見えるように使います。
これが、初めて作ったふたものになりました。身と蓋のバランスを何度も試作しました。
トチ
左/ クルミ・大  右/ トチ・小
ふたもの
​トチ 大  φ14cm 13000円+税
小 φ11cm 10000円+税
クルミ 大 φ14cm 11000円+税
​小 φ11cm 8000円+税
リムパンプレート 2011~
パン皿 2012~
初めは「パン皿」という名前で、リムのあるお皿を作りました。木が焼きたてのパンの湿気をほどよく吸ってくれ、サクッが長続きするように思います。
リムのある形が少々複雑で、ロクロで削るときに苦労しました。その後、2012年にリムのないタイプのパン皿を作り、最初のリムのお皿は一旦姿を消しますが、後に「パン皿・復刻」という名前で再登場。「復刻ってどういう意味ですか?」とのご質問が多く、ややこしい名をつけてしまったと反省し、最終的に「リムパンプレート」という名前に落ち着きました。コロコロと名前を変えられ可哀そうなことをしてしまいましたが、今でも好きな形です。そして、名前を取って変わったリム無しタイプの「パン皿」はというと、登場の際はまだリムタイプが残っていましたので、とりあえず「パン皿 B」と付けました。リムタイプが「リムパンプレート」として命名されたのを機に、無事「パン皿」へと昇格しました。
このように、新しく作った器に名前をつけるという作業は、なかなか難しいと感じます。名前だけ追っていただいても、だんだんと変化を感じてもらえるのではないかと思います。
リムパンプレート
サクラ φ15cm  3500円+税
φ20cm  5000円+税
ウォルナット φ15cm  3500円+税
φ20cm  5000円+税
パン皿
サクラ φ15cm  3500円+税
φ20cm  5000円+税
ウォルナット φ15cm  3500円+税
​φ20cm  5000円+税

箸休め 工房

​ふじい製作所の工房は、兵庫県小野市にあります。作業ができる納屋のついた物件を探していて、タイミング良くたまたま小野に出会えた、という感じでした。しばらくの間空家だったため、まずは家の水廻りのリフォームをお願いし、居間とキッチンは自分たちで床を張り、壁を塗り、とりあえずなんとか住める状態に。あとは少しずつ時間を作りながら、自分たちで手を入れて行こうと決めます。この頃は、お風呂とトイレに扉もなく、大きな布をぶら下げて、来客時にはご迷惑をおかけしたものでした。工房には、動力を入れ、機械を運び込み、材料を買い、少しずつ器を作り始めました。​2010年の暮れから、2011年にかけてのことです。
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